虐待は紙一重

jinchouge

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鍼灸師、自己肯定感アップカウンセラー、ダイエットインストラクター、マタニティーフードアドバイザー

豪雪地帯の田舎で鍼灸院を経営しています。

みんなが自分を大事にして、楽しい人生を送ってほしいというのが、一番の願いです。
そのためのヒントが見つかりますように。

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相次ぐ虐待死のニュースに、心を痛めています・・・

 

でも私は、誰しもが虐待をしてしまう可能性があると思っています。

 

人間って、ちゃんと眠れないと、だんだん頭がおかしくなってきますよね。

たった数日でもおかしくなってきます。

それが数ヶ月、場合によっては数年続いたらどうでしょう。

 

産後は本当に寝られません。

常に仮眠しか取れないような状態です。

良く寝てくれる赤ちゃんもいるようですが、それでも最初の数ヶ月は、

2~3時間おき、夜中や早朝に1~2回は授乳に起きるのではないでしょうか。

さらに、赤ちゃんの『命』を預かっているわけですから、責任も重大です。

プレッシャーで心もなかなか休まりません。

 

眠れない、大きなプレッシャーに加え、まだ幼い兄弟がいたり、夫が非協力的で

話も聞いてくれず、1人で育児をするワンオペ状態が続いたとしたら・・・

夫に「ずっと家にいられていいよね」とか「ずっと家にいるのに、なんでできないの?」とか言われたら・・・

 

どうですか?

私もおかしくなると思います。

「そんなこと言うなら1人でやってごらん。困ってても助けないよ。

そして、なんでできないの?って言ってやるよ」って感じですよね。

 

旦那さん、逆の立場だったらどうですか?

命を預かり、2~3時間おきに起こされ、日中は赤ちゃんと2人きり。

「仕事も大変だけど、仕事してる方がまだ楽だわ・・・」って言う姿が目に浮かびます。

 

ちょっと危ないな、ちょっとやばいなというくらいの時に気づいて、

助けを求められれば良いのですが、

もう完全にやばい、追い詰められている状態だと、

助けを求めるとか、どうすればいいか調べるとか、できなくなっているのだと思います。

日中赤ちゃんと2人きりなら、誰も気づいてくれません。

 

『産後クライシス』という言葉が有名になりましたが、

女性は男性に比べて長期記憶に優れていて、特に大変だったことや辛かったことは、

脳に深い傷として刻まれ、おそらく一生忘れません。

産後のことが原因で離婚・熟年離婚に至るケースもあるようです。

熟年離婚では、子供が自立して、夫の定年退職を待って離婚。積年の恨みが晴らされる瞬間といったところでしょうか。

それだけ、出産前後の大変だったことはよーく覚えているということです。

 

 

私は、妊娠後期の頃に家出をしたことがあります。(家から車で5分の祖母の家、現在のはりきゅう沈丁花ですが)

結果的には、息子が生まれて1歳を少し過ぎた頃まで家には帰りませんでした。

約1年半家出していたわけで、今考えるとなんでそこまで・・・と思うのですが、

赤ちゃんの世話をして、夫や義両親の食事を準備して片付けして家のことやってとか・・・

絶対無理~!!つうか、大人なんだから自分でできるでしょ。自分たちでやってよ!!くらいの感じだったと思います。

皆さんはちゃんとやっているのだと思うのですが・・・人は人、自分は自分。

自分を守ることで、子供も守れると思ったのでしょう。

これはあまり良い例ではありませんが、早い段階で白旗を上げて良かったと思っています。

私には逃げる家がありましたし、夫もほぼ毎晩家に寄ってくれていました。

おばあちゃんの家に助けられ、その家を残してくれていた母(産後もいろいろ手伝ってくれました)、ちょこちょこ来て息子とたくさん遊んでくれた父(おかげで、初めてはっきりと発した言葉が「じいちゃん」でした・・・ちょっと切ない!!(笑)今だから笑える)、姉も遠方から何回か遊びに来てくれました。

そして家に戻った時も、何も言わずにまた迎え入れてくれた夫や義両親。

内孫のおかげだとは思いますが、

1年半も家出する嫁なんてとんでもないのに、見捨てずにいてくれて本当に良かったです。

なんだかんだで、みんなに支えられていたのだと、とても感謝しています。

 

その数年後、『逃げるは恥だが役にたつ』というドラマ(流行りましたね~)が放送されました。

逃げてでも生き延びようとする、生き延びるためには、時には逃げるという選択をしても良い。という感じでしょうか。

あの時の家出は、決して良いこととは言えませんし、自慢できるようなことではありませんが、

悪いことでもなかったかな~と、少し救われたような気がしました。

 

やはり、産後育児を1人でやるというのは、非常に厳しい話だと思います。

何かしらの助けが必要です。

助けを求めてなんとか乗り越えるか、

助けを求めず追い詰められて、一生後悔する結果(子供を虐待死させる)に終わるか・・・

聞くは一時の恥,聞かぬは一生の恥・・・少し似ているような気がします。

助けを求めるは一時の恥、助けを求めぬは一生の後悔・・・

 

そもそも、助けを求めることは恥ではありません。弱さの表れでもありません。

逆に、強い人は人にどう思われようと気にせず助けを求めますし、

それを恥だなんて思いもしません。

私はそんなに強い人間ではなく、どちらかというと劣等生だと思いますが、

この世に完璧な人間なんていませんから、

育児だって完璧を目指さなくていい、人の助けは借りてもいいと、いつも思うんですよね。

人は結構気づいてくれません。大体みんな自分のことで精一杯ですし、人の家庭のことに首を突っ込んだりしません。

ですから、助けて欲しい時は気づいてくれるのを待つのではなく、自分で声をあげるしかないのです。

 

産後ケアセンターや産後ヘルパーというのもあります。

産後ケアセンターは、何泊かしてお母さんのケアや夜間の赤ちゃんのお世話などをしてくれるというところです。家族で泊まれるところもあるようです。

産後ヘルパーは、おうちに来て赤ちゃんのお世話や身の回りのことをしてくれます。

行政によって異なると思いますが、魚沼市では産後ケア事業

http://www.city.uonuma.niigata.jp/docs/2018041600088/

チラシhttp://www.city.uonuma.niigata.jp/docs/2018041600088/file_contents/chirashi.pdf

申請書http://www.city.uonuma.niigata.jp/docs/2018041600088/file_contents/shinseisyo.pdf)や、保育園などでの乳幼児一時預かり(http://www.city.uonuma.niigata.jp/docs/2015012500453/)などがあります。

子育てサークル(http://www.city.uonuma.niigata.jp/docs/2015012500446/)というのもあります。

1人や夫婦だけで悩まず、こういったところを積極的に利用しましょう。

 

当院でもやっている産後ケアは、鍼灸治療院ですので、赤ちゃんのお世話はではなく、お母さん自体のケアをいたします。

ちょっとおしゃべりしたり、調子の悪いところを治療したり、ちょっと休憩したり・・・そんな感じです。

鍼はちょっと・・・という方は、お灸や棒灸、刺さない鍼(主に小児用に使う鍼)などもあります。

当院は赤ちゃんや小さいお子様づれ歓迎ですが、一時預かりに預けてご来院というのも良いと思います。

自分の状況に合わせて選んだり、組み合わせたりすると良いでしょう。

 

 

 

産後ケアはなぜ必要か。

それは、『赤ちゃんのためにも、お母さんの心と体の健康が1番大事である』からです。

このことを、老若男女、全国の皆さんに知ってもらいたいです。

そしてこれは、旦那さんのためでもあります。

お母さんは産後の大変さで、旦那さんに対する言動がおろそかになったり、きつくなったりしていませんか?

それによって、旦那さんが赤ちゃんの首をおもいっきり揺らしてしまうなどの虐待が起こってしまうことがあります。

また、それが「いつも家にいられていいね」などの発言につながっているかもしれません。

そういったことを防ぐことにもなると思います。

やはり『家族の幸せは、お母さんの健康から』『家族の幸せは、お母さんの幸せから』ということになりますね。

 

私自身、あの時大変だったな~、産後にケアしてくれる治療院みたいなのがあったら良かったな~と、ふと思ったことがあります。

そこで、『1人で悩むお母さんが少しでも減って欲しい、そこから発生する虐待が少しでも減って欲しい。』

そんな思いから、メニューに産前・産後ケアというのを加えることにしました。

新潟の片田舎ですから、ほんの数人のお役にしか立てないかもしれません。

でも、田舎だから選択肢が少ない、ケアする場所が少ないとなると、それは悲しいことです。

いくら人数が少なくても、産後のお母さんはみんな大変なんですから。

 

 

 

産後ケアに関しては、産前から知っておいた方が良いと思っています。

産後って本当にめまぐるしいです。

気づいた時には、追い詰められていた・・・なんてこともあり得ます。

産前から「こういう治療院がある」「こういう産後ケア事業がある」

駆けこめるところがあると事前に知っておけば、

困った時に利用しようと思えたり、心の支えにもなるかもしれません。

逃げ道や心の拠り所を用意しておくことも必要です。

 

みんなはできているのに。とか、こんなくらいで行ってもいいのかな。とか、そんなことは思わなくていいです。

他人軸ではなく、自分が「私ちょっとやばいかも・・・」と思ったら来ちゃっていいんです。

いろんな産後ケアを利用しちゃっていいんです。

傷は浅いほうが早く良くなります。

できることなら夫婦で相談に行く、ケアを受けるというのも良いと思います。

 

育児・子育ては長丁場です。

大きくなれば楽になる・・・こともあるとは思いますが、

何度か訪れる反抗期や思春期、自分の更年期が重なるともう大変。

結局子供が自立するまで大変なことやイライラは続く・・・

早めにケアしておきましょう。

 

 

『出産後は、なんらかの産後ケアを受けなければならない』

虐待防止法として、そういう法律があると良いかもしれないですね。

そうすれば、夫や義両親も周囲の人も納得せざるを得ないし、なんの気兼ねもなく産後ケアが受けられるのでは・・・

まあ、そんな法律がなくても、産後ケアをもっと気軽に受けられる世の中だったら良いんですけどね・・・

 

 

産後の育児には、家族や周囲の協力が絶対必要です。

何がつらいのか、どうして欲しいのか、何ができるのか、何が必要かなど、

家族間で明確にして擦り合わせたり、産後ケア事業を利用するなどの適切なケアを受けましょう。

 

 

幸せな家庭が増えますように。虐待が減りますように。

 

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鍼灸師、自己肯定感アップカウンセラー、ダイエットインストラクター、マタニティーフードアドバイザー

豪雪地帯の田舎で鍼灸院を経営しています。

みんなが自分を大事にして、楽しい人生を送ってほしいというのが、一番の願いです。
そのためのヒントが見つかりますように。

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